本文へスキップ

石山テクノ建設株式会社はあらゆる構造物の補修・補強・耐震工事を通じてインフラを守る環境保全企業です。

TEL. 075-682-4377

〒601-8468 京都市南区唐橋西平垣町38番地1


VOL .4 木材について(その1)


目次

1.はじめに

 最近、木造住宅に関わる事が多くなってきました。
 木造の部材というと昔ながらの大工さんの経験で きめられていた事が多く、住宅の部材を決める事が少なかったのですが最近3階建木造住宅や、1階 が鉄筋コンクリート造または鉄骨造の上に木造を建てる混構造の住宅においては、接合部分などいままで 大工さんが経験していない部分がでてきて、計算により部材等を決定する事になっています。

 そのようなわけで木造の計算をしているのですが、木がどんなものがあって性質がどのよう なものなのかが全くといっていいほど無知であった為、少し調べてみようと思いました。


2.針葉樹と広葉樹

 木造住宅に用いている木材は、大きくわけて針葉樹と広葉樹に分けられます。
一般に広葉樹は針葉 樹に比べ比重が重く硬い為、広葉樹を「堅木(かたぎ)」、針葉樹を「柔木(やわぎ)」と呼ぶようです。
 構造材に用いる材は、1.断面がそろっている、2.より真っ直ぐで長さのとれるものが扱いやすく、 ヒノキ、スギに代表される針葉樹が直材が取りやすく、加工性もいい事から木造住宅の多くの部分に使 われています。

図1 針葉樹と広葉樹



3.3方向による特性の違い

 木は鉄やコンクリートなどの工業製品と異なり、均質な素材ではありません。
 また木の構造を見てみると 木口(材長に直角な繊維方向)、柾目(年輪に直角な放射方向)、板目(年輪の接線方向)とそれぞれ 異なった性質を持つことが分かります。

図2.樹木の構造


 3方向に対して、圧縮、引張りの強度を求めると、繊維方向、放射方向、接線方向の順で強度が 大きくなります。
 木材の使い方が、柱なら縦使い、梁なら横使いとするのは、こうした強度の差を経験 的に知った昔の知恵だった様です。

 木材の繊維方向の材料強度を下に示します。

表1 木材の繊維方向の材料強度
 種類 材料強度
(単位 kg/cm2)
圧縮 引張り 曲げ せん断
針葉樹 アカマツ、クロマツ、ベイマツ 225 180 285 24
ヒノキ、ヒバ、カラマツ、ベイヒ 210 165 270 21
ツガ、ベイツガ 195 150 255 21
スギ、エゾマツ、トドマツ、ベニマツ、モミ、ベイスギ、スプルース 180 135 255 18
広葉樹 カキ 270 240 390 42
ケヤキ、ナラ、クリ、ブナ 210 180 300 30

 上記の値の1/3を長期(常時にかかる)応力に対する許容応力度、2/3を短期(地震、台風時)応力 に対する許容応力度としています。
 木材は、長期間荷重を受けると時間経過と共にたわみが大きくなる性質を持つ(クリープという)為、 大きな荷重を受ける梁などでは、余裕のある断面をもたすことが必要です。

 また木材の細胞の構造や配列によって乾燥に伴う収縮率が異なることも注意したい点です。
 各方向に異なる収縮が起こるために狂いが生じる様です。
 乾燥収縮率の大きいものから順に接線方向、放射方向、繊維方向の関係となり、繊維方向は、他の 方向に比べひと桁小さい値になっています。(図2参照)
 板張りなどでは、材の乾燥状態によって幅方向の伸び縮みを考慮し、逃げをとった張り方が必要となっ てきます。


4. 赤身、白太

 丸太の木口を見ると、年輪の中心部分の濃い色の部分と、それを取り巻く樹皮に近い側の淡い色の 部分がありそれぞれ「赤身(心材)」、「白太(辺材)」といいます。
 赤身は白太に比べて腐りにくく、虫害 も少ない上、硬く強度も大きいので用材としてはあらゆる部分で望ましい様です

図3 赤身と白太



5. 木裏、木表

 板目の材で樹心側を「木裏」、樹皮側を「木表」といいます。
 一般に木表の方が節の出も少なく 木目もよいとされています。
 木表よりも木裏の方が硬質で収縮も少ないため、乾燥する事により 木表側に反る性質を持っています。

 内法材の敷居、鴨居などでは建具の建付けに影響が出にくい様、木表側に反ることを考慮して 内法側を木表に用いています。

図4 木裏、木表



6. 背、腹

 一般にむくりのある部材の凸側を「背」、その逆の凹側を「腹」といいます。
 斜面地に生える立ち木の 場合、谷側は木目が硬く背側となり、山側に反り気味に育って腹側となります。
 丸太から梁を取るには、その背、腹を成(高さ)として製材します。

 背側に反り気味に育つという樹木の性質を利用して、上部の荷重を受ける梁や胴差などの横架材の 場合は背側を上向きに、大引や軒のでの深い垂木や出し梁の場合は、床束を持ち上げたり、軒先が 垂れ下がらない様に背側を下向きにして用いています。

図5 背と腹


7. 元口、末口

 立木の場合、その根元側を「元」、反対側を「末」といい、その切口をそれぞれ「元口」、「末口」といい ます。元口は、末口に比べ赤身が多いうえい年輪の数も多く、強度的に優れています。

 継手部分で竿などがつくり出された側を「男木(おぎ)」、それを受け止める側を「女木(めぎ)」といい ますが、通常横架材を継ぐ場合は、男木を末口、女木を元口とする「送り継ぎ」と呼ばれる継ぎ方が良 しとされている様です。
また、柱を建てる場合は、立木の状態と同様に元口を下にする事が常識の様で す。

図6 末口と元口




8. まとめ

 木造の事、もっと書こうと思いましたが、知識が本当になく今回はここまでで精一杯になってしまいま した。

 このレポートを(その1)としたのは、もっと調べてみようという気があるからです。これ以外にもこんな 事もあるというご意見聞ければ幸いかと思います。


参考文献)
木造住宅 (私家版)仕様書 架構編(建築知識)
木造3階建 パーフェクトマニュアル(建築知識)



トチオ構造設計室VOL.4


コラム一覧へ