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石山テクノ建設株式会社はあらゆる構造物の補修・補強・耐震工事を通じてインフラを守る環境保全企業です。

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石積接着補強工法「モルダム工法」

石積接着補強工法「モルダム工法」が、石積み擁壁の崩壊を防ぎます


モルダム工法施工例

 石積接着補強工法「モルダム工法」は、既存の石積み擁壁を取り壊すことなく、石積み石垣の内部に、優れた接着性を有する専用充填剤を注入することで補修・補強ができる工法で、九州防災メンテナンス株式会社の特許工法です。

 民間工事だけでなく、国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)登録技術で、公共工事にもご使用いただけます。

石積み擁壁の崩壊の危険性


空石積み擁壁

 空石積み擁壁は、 石などを背面の土にもたれかけるように固定するだけで、練積み擁壁と異なり、十分に一体化されておらず強度が無く、近年多発する地震や豪雨により、崩壊被害が各地で発生していますので、予防保全としての安全対策が重要になります。

 空石積み擁壁の崩壊の危険性を、部分的な張り出しや目地の開口等の変状等から、ある程度事前に予知することで倒壊防止の対策が可能です。



① 目地ずれ
【原因】経年による老朽化
【現象】強度低下

②抜け石
【原因】背面の砂層等への地下水の侵入による膨張
【現象】積石の押し出し

③ふくらみ
【原因】背面土への雨水や地下水の侵入による土圧の増加
【現象】斜面崩壊
 擁壁のふくらみが事前に確認できる場合は危険なため取り壊し、対策を講じる必要がありますが、近年では集中豪雨により一気に斜面崩壊に至るケースが発生しています。

地震や豪雨による擁壁の崩壊


 高度経済成長期に住宅地確保のため、山腹斜面の切土・盛土工法による宅地造成地が郊外の丘陵地や台地、山麓へと広がりました。


(イメージ写真です)

 その宅地周囲のがけ地や傾斜地は、自然の地形や宅地造成などで造られ、がけ崩れによる土砂の流出から人命や財産を守るため、条例によって建物の位置や構造等が制限されます。

がけ(崖)

 がけの定義として、崖の上や下に建物を建築するときの、がけ条例が有ります(各特定行政庁ごとでの条例です)

がけ条例の崖の定義
 地表面が水平面に対し30度を超える角度をなす硬岩盤(風化の著しいものを除く。)以外の土地で高さ2メートル(もしくは3メートルの地域も有ります)を超えるもの。

 がけの部分が崩壊することを防ぐため、擁壁の設置を行うことで安全を確保します。

擁壁

 高低差のある土地で、側面の土が崩れるのを防ぐために設置される壁状の構造物です。

 擁壁は、台地や山麓以外に、河川や水路、高さが2m以下の個所を含め、多くの場所に有ります。

 そして現在、地震や豪雨により老朽化した宅地擁壁の崩壊・倒壊、法面の崩壊が発生し、宅地や建物に被害を与えるとともに隣地や第三者へ影響を及ぼす事例が増えています。

擁壁の種類

擁壁の設置基準や技術的要求事項については主に以下の法律等によって規定されています。

・宅地造成等規制法
・都市計画法
・建築基準法(建築基準関係規定)

一般的な擁壁

 宅地造成等規制法施行令第6条で「鉄筋コンクリート造、無筋コンクリート造又は間知石練積み造その他の練積み造のものとすること」と定められています。
①間知石・間知ブロック練積み擁壁
②重力式コンクリート擁壁
③鉄筋コンクリート擁壁・・・プレキャストを含む

構造上危険性の有る擁壁
空石積み擁壁・・・野面石積み・玉石積み等を含む

・コンクリートブロック積み擁壁(土留めとしては不適切)・・・CB塀の下部を土留めとして使用しているもの
・ガンタ積み擁壁(解体したコンクリート塊などを再利用したもの)・・・空石積み擁壁として分類
・大谷石積み造擁壁・・・「④空石積み擁壁」に分類することを基本とするが、大臣認定を受けた構造の場合 もあるため、専門家に相談することが望ましい。


形状で危険性の有る擁壁
⑤増し積み擁壁
⑥2段擁壁
⑦張出し床版付擁壁

は、国土交通省 宅地擁壁の健全度判定・予防保全対策マニュアルより引用

擁壁の種類及び形状

(出典)国土交通省 宅地擁壁老朽化判定マニュアル(案)より引用

 建築基準法に不適格な擁壁で被害が多く、適格擁壁では被害は少なくなりますが、大地震で宅地地盤が変動(沈下等の変形)し適格擁壁も被災していますので、擁壁だけでなく地盤の強度も重要です。

 

  擁壁でご不安のある方は、擁壁の危険度判定チェックシートやマニュアルが公開されていますので、一度チェックしてみてください。
我が家の擁壁チェックシート (案)(出典:国土交通省ウエブページ)

  国土交通省の資料は「案」となっています。地方自治体のホームページでは、国土交通省HPへリンクされている場合や、地域の特性を加味したもので公開されている場合も有ります。
更に判定マニュアルで、詳細な内容のものに、宅地擁壁老朽化判定マニュアル(案)(出典:国土交通省ウエブページ)が有ります。

危険性の高い不適合擁壁とは


 現在の建築基準法に適合していない擁壁は不適格(もしくは不適合)擁壁と呼ばれ、昔の基準法で建築された「既存不適格」や「確認申請」が行われていないもの、「検査済証」など証明する書類が無い擁壁を言います。

熊本地震での擁壁の被害

 宅地被害の傾向と特徴(令和元年6月6日)の資料で、2016年4月に発生した熊本地震では、これらの法令などに適合しない不適合擁壁が適合擁壁と比べ、高い損傷度であったことが指摘されています。

高さ2m未満の擁壁は、
・・・法的な規制がありません。





空石積み擁壁は、
・・・石などを背面の土にもたれかけるように固定するだけで、練積み擁壁と異なり、十分に一体化されておらず強度は有りません。



空石積み造擁壁とは

 空石積み造擁壁は、背面土の風化防止と侵食防止を目的とし、石やブロックを積み重ね、壁面の隙間をモルタルなどで埋める程度のもので、練積み擁壁と異なり十分に一体化されていません。



主働土圧が小さい斜面に、擁壁の重量でもたれかけるように固定されているだけです。

主働土圧は、擁壁などの背部にある盛り土が、擁壁を押し倒すように前にかける圧力のことをいいます。

 一般住宅などの土留め壁として使用されている空石積みでは、裏込め石が全く入っていないものも多くあります。
 また積石も小さく胴長も短いものが殆どで、飼石もあまり入っていない石積みも珍しくなく、地震や主働土圧の影響で、ずれや歪が生じやすいのが現実です。

 その為、近年の繰り返し発生する地震や大雨により、空石積み造擁壁に劣化や損傷が蓄積し、倒壊に至る事例が増加してきています。


練石積み造擁壁とは

 現行基準の石積み造の擁壁は、間知石・間知ブロック練積み擁壁になります。
 コンクリートブロックや間知石の背面をコンクリートやモルタルで一体化したものです。




地震や豪雨で斜面崩壊が突然襲ってきます


 斜面崩壊とは,斜面表層の土砂や岩石が地中のある面を境にして滑り落ちる現象で、土砂崩れや崖崩れなどと呼ばれます。



 どの擁壁も、目的は地盤の崩壊を防止するもので、がけ上宅地内から土中に浸透する雨水を、擁壁面に設けられた排水口から排出することで擁壁に水圧を掛けないようにすることが重要です。

 法整備以前の古い擁壁で、強度不足や排水不良により崩壊か発生した事例が報道され、地震や豪雨に対しての危険性が広く社会に認識されてきています。 




近畿圏の想定震度

平成19年版内閣府防災白書に以下の予防対策用震度分布の図が有ります。

 近畿圏でのM7.0以上の活断層、M6.9の直下の地震、東南海・南海地震及び東海地震の震度分布を重ね合わせ、各地点の最大震度をとったものです。

予防対策用震度分布


(出展:内閣府防災情報のページ 平成19年版内閣府防災白書)

 ひとたび地震が発生すると強い地震の揺れが、多くの人々が暮らす広範囲の生活圏のどこであっても起こりうることを示しています。

 空石積み擁壁は、中地震(震度5強程)で崩壊する危険性が有ります。


増加する豪雨災害による被害


 台風・爆弾低気圧・梅雨前線・線状降水帯等による広範囲で数日にわたる大雨や、局地的集中豪雨による豪雨被害が各地で発生しています。


(イメージ写真です)

土砂災害の発生件数の推移



(出展:内閣府防災情報のページ 令和4年版内閣府防災白書)

土砂災害の発生件数で、がけ崩れの件数が多いことが分かります。

斜面の崩壊は,土の力学的な力釣合いが失われた場合に生じますが,その原因として,

①地下水や降雨などによる斜面内の浸透水が原因で生じる場合
②地震力を受けて生じる場合
③切取り,盛土などによる場合

などが挙げられますが、

浸透した雨水による表土層の飽和による、

【せん断力の増加】
 雨水の浸透による加重の増加

【せん断抵抗力の低下】
 雨水の浸透により、すべり面を押え付ける力が低下し、土や岩の強度を低下させる間隙水圧の発生が、斜面崩壊発生の最大の原因です。



土の粘りが無くなり、ドロドロになって崩れ落ちます。



雨水で飽和した土がすべりを発生します。


 山岳地や丘陵地の自然斜面でも、排水不良で擁壁裏面に雨水等が溜まり、降雨によって地山が雨水で飽和し、有効圧力やすべり面における摩擦力、粘着力が減少して地滑りや崖崩れに至る場合が有ります。


空石積み擁壁の倒壊状況

突然襲ってくる崖崩れ(斜面崩壊)には、

事前の適切な安全性の確保が効果的な対策です。

 変状の状況に応じて「補修」「補強」「再構築」を行い、事前に安全性を確保しておくことが大切です。

 部分的な張り出しや目地の開口等の変状等から、ある程度事前に予知と防止が可能です。

石積み擁壁の補強工法

 既存建物が有る場合に既存擁壁を撤去して擁壁を新築することは困難で大きな費用が掛かります。

 その為、既存の空石積み擁壁を注入工法で強固に一体化できる「モルダム工法」が補強工法として効果的です。


モルダム工法施工例

 「モルダム工法」による補強の費用は、崩壊した後に擁壁を再構築する場合に掛かる費用に対し1/3~1/5程で済みます。(当社実績)



 更に、傾斜や沈下を伴い損傷している住居を補修する場合は更に大きい費用が必要になります。

 隣戸や第三者へ被害が及ぶ場合も有りますので、危険が予見される擁壁は、事前に安全対策を講じておくことが大切です。

 豪雨被害による空石積み擁壁の崩壊が発生したご物件で、空石積み擁壁崩壊部の復旧及び、周囲擁壁のモルダム工法による補強工事の施工事例で、当時をお施主様ご夫妻に振り返って頂きましたインタビュー動画をご案内いたします。


「構造物の医者」として、蓄積された補修・補強の保全技術を駆使して、擁壁の復旧及び補強と、建物の沈下修正工事の設計・施工を行い、お客様のご不安を解消し、安全と安心 をご提供することが出来ました。

モルダム工法「石積接着補強工法」


 モルダム工法は、既存の石積みの内部に優れた接着性を有する石積み専用充填剤を注入する事によって補修・補強する工法です。


モルダム工法の模式図


練り混ぜ状況


注入状況

 工法用の接着剤(モルダムエース)を、自然石の石積みや間知ブロックの内部に注入し強固に接着します。

モルダムエースは、プレーンモルタルに比べて以下のような優れた特徴があります。

1)防水性に優れている。
2)接着面での剥離がない。
3)耐摩耗性、耐衝撃性に優れている。
4)物理的特性に優れている。
5)防錆性、耐薬品性に優れている。
6)作業安全性(取扱を含む)に優れている。

 排水機能を確保した状態で、内部から補強することが出来るため安価で施工を行うことが可能になりました。

 また、(足場を設置する必要が有る場合を除き)境界際に設置された石積みでも表面に構造物を設置する必要がないため、敷地内での施工が可能となります。

 狭地での作業も可能であるため、個人住宅をはじめ、道路維持工事、急傾斜地崩壊対策事業、河川護岸工事等、様々な石積みの補強工事に適用できる工法です。


モルダム工法 施工例


【敷地内擁壁での施工例】

【施工前】


【施工後】



【山麓地敷地境界沿い擁壁での施工例】

【施工前】


【施工後】



【水路沿い擁壁での施工例】

【施工前】


【施工後】



【河川護岸擁壁での施工例】

【施工前】


【施工後】



【モルダム工法施工動画】
石積み接着補強工法「石山テクノ建設オリジナル」顔料入りモルタル充填および刷毛引き仕上げ 施工要領説明動画




 石山テクノ建設株式会社は、石積み災害防止工法研究会京都府支部の支部長企業として、「モルダム工法」の発展と成長を担い、地域社会の安全と安心を創造します。




 京都府・大阪府・滋賀県・奈良県で、石積その他各種擁壁、基礎、地盤の調査・診断・補修・補強に関するご相談は、「構造物の医者」の石山テクノ建設に、お気軽にご相談ください。


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