画像をクリックすると拡大できます。 |
沖縄の石垣島の近くに、竹富島という魅力的な小さな島があります。 この島には28の「御嶽(うたき)」があるそうです。 このスケッチはそのなかの一つです。 「御嶽」は神の鎮座する聖なる場所の名称です。 「御嶽」には神様の記号である、注連縄や鳥居は元々はありません(明治以降に付けられたものが数箇所あります)。 勿論案内板もありません。 見る人が主観的に認識するしかないのです。 従って島の訪問者によってその認識できる数は違ってきます。 神が鎮座していそうな雰囲気を作り出す要素として、小さいながら奥行きがあること、囲みを感じさせる空間であることなどがあげられます。 竹富島はサンゴ礁で出来た平たい島なので、高低での変化がありません。 「御嶽」の演出の装置は圧倒的に樹木が担っています。 次には石灰岩です。 台風常習地帯ですから、本土の鎮守の森にある大きな樹木は育ちません、その代わり椰子などの亜熱帯の常緑樹が聖なる雰囲気を作り出しています。 ここでは石灰岩も使われていて、いかにも神の住み家という雰囲気になっていますが、他の「御嶽」の中にはあまりに自然のままで判断に迷うところも多いのですが、そこがまた竹富島らしく素朴でいいところではないでしょうか。 (株)京都建築事務所 代表取締役専務 小林一彦
|