盛土の宅地 公表進まず
の大見出しで、2017年6月28日朝日新聞の1面に「大規模盛り土造成地」に関する記事が掲載されました。
以下抜粋・・・
地震で地滑りを起こす恐れがある大規模盛り土造成地。
国は全国の自治体に場所の調査と公表を求めているが、半数以上が公表できていないことがわかった。阪神・淡路大震災や中越地震を教訓に国は2006年から対応を求めているが、費用負担の重さや時価下落への懸念などから、対応が後手に回っている。
大規模盛り土造成地
3千平方メートル以上の面積を土で埋める「谷埋め型」と、20度以上の斜面に高さ5メートル以上の土を盛る「腹付け型」の2種類ある。地滑りを起こすと被害が大きく、2006年の宅地造成等規制法の改正で新たに定義された。
国土交通省が全国1741市区町村の状況を調べ判明した。
同省の定めに沿って有無を調べ、結果をホームページ等で公表しているのは864自治体で全体の半分以下だった。
864の内505は対象の盛り土造成地がなく、359は場所をマップで示していた。
だが他は、対象地の有無の調査は済んでいるが公表に至っていないケースが209、調査中が245だった。
未調査の自治体は423もあり、全体の4分に1に及んだ。
東京や大阪府、京都府、静岡、兵庫、奈良、鳥取、徳島、香川、滋賀の各県は全市区町村で公表済みだが、佐賀や沖縄など公表市町村が一つもない県も14ある。
1995年の阪神淡路大震災では、兵庫県西宮市で幅約100m、長さ約100mに及ぶ地滑りが発生し。13戸の家屋が壊れ34人が亡くなった。
国交省は2006年に安全性を高める技術基準を強化し費用の補助制度も設けたが、対策は進まず、2011年に東日本大震災が発生。この際も地滑り被害が続出し、国交省は2015年から各自治体に、大規模盛り土の調査と公表を改めて促してきた。
マップを公表している359自治体でも安全性調査まで終わっているのは12のみ。
昨年の熊本地震でも地滑りが相次ぎ、国交省は「早期に調査を」と呼びかけている。・・・
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新聞の文面にあるように、「対策には多額の費用がかかり、手つかずの自治体が多い。見た目で危険が伝わりにくく、むしろ地域イメージの悪化や地価下落への住民の反発が懸念されることも、調査に消極的になる要因とみられる。」・・・ですが、予測されうる災害は決して天災と言い切れるものではありません。
国土交通省の参考ページです。
【追記】国土交通省の「重ねるハザードマップ」では、2020年7月から,全国の大規模盛土が見れるようになりました。
画面左上の「全ての情報から選択」→「土地の特徴・成り立ち」→「大規模盛土造成地」で地図上で大規模盛土造成地の範囲を確認することができます。
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