豪雨災害への備えは自助・共助

平成29年7月九州北部豪雨で甚大な被害を受けられた皆さまに対し、謹んでお見舞い申し上げます。

九州北部では、5年前にも「平成24年7月九州北部豪雨」が発生し、この時も甚大な災害が発生しました。
共に、発達した積乱雲が線状に連なり次々と流れ込む「線状降水帯」が原因として挙げられていますが、線状降水帯による豪雨被害として、まだ記憶に新しい平成27年9月関東・東北豪雨(鬼怒川の堤防が決壊)、平成26年8月豪雨による広島市の土砂災害(土砂災害で多数の死者・行方不明者)をはじめ、21世紀になり豪雨被害が多発しています。

気象庁のホームページの異常気象リスクマップ

大雨が増えている

最近30年間(1977~2006年)と20世紀初頭の30年間(1901~1930年)を比較すると100mm以上日数は約1.2倍、200mm以上日数は約1.4倍の出現頻度となっています。
こうした長期的な大雨日数の増加に、地球温暖化が関係している可能性があります

平成29年7月九州北部豪雨で、朝倉市の2017年7月5日(1時間ごとの値)降水量を、雨の強さと降り方 から見て、11時から21時まで大雨が集中し16時に一気に100㎜越えの豪雨になったことがわかります。

1日で100mmというのが水害を発生させるおおよその下限の雨量ですので、尋常ではない豪雨です。

午後6時前に、気象庁は「甚大な被害の危険が差し迫っている」として、福岡県の筑後地方と筑豊地方を中心とする地域に大雨特別警報を発表し、さらに午後7時55分に、大分県のほぼ全域にも大雨特別警報を発表しました。(平成24年7月九州北部豪雨をきっかけに「特別警報」が設けられました)

7月5日朝倉市周辺での経緯
午後1時14分、気象庁が「大雨洪水警報」を発表
午後2時15分、市が「避難準備情報」を発令
午後3時38分までの1時間に、観測史上1位となる129.5ミリの降水量を観測
午後5時51分、気象庁が「大雨特別警報」を発表
午後7時10分、市が全域に「避難指示」を発令

特別警報が発表となったら「直ちに命をまもる行動」が必要です。

特別警報が発表されたのは豪雨のピーク後で、市全域に避難指示が出たのは、さらに後だったことを考えると、色々な入手情報から自主的に判断し、特別警報を待たずに避難することが有効な「命をまもる行動」であり、特別警報が出るときはどこへも逃げられない状況になっている危険性があります。

気象庁の参考ページ

自分で行う災害への備え
台風や大雨は、毎年大きな災害をもたらします。警報などの防災気象情報を利用して、被害を未然に防いだり、軽減することが可能です。テレビやラジオなどの気象情報に十分注意してください。台風や大雨の危険が近づいているというニュースや気象情報を見たり聞いたりしたら、災害への備えをもう一度確認しましょう。

特別警報について
特別警報が対象とする現象は、18,000人以上の死者・行方不明者を出した東日本大震災における大津波や、我が国の観測史上最高の潮位を記録し、5,000人以上の死者・行方不明者を出した「伊勢湾台風」の高潮、紀伊半島に甚大な被害をもたらし、100人近い死者・行方不明者を出した「平成23年台風第12号」の大雨等が該当します。特別警報が発表された場合、お住まいの地域は数十年に一度の、これまでに経験したことのないような、重大な危険が差し迫った異常な状況にあります。ただちに地元市町村の避難情報に従うなど、適切な行動をとってください。

土砂災害警戒情報とは
大雨警報(土砂災害)が発表されている状況で、土砂災害発生の危険度がさらに高まったときに、市町村長の避難勧告や住民の自主避難の判断を支援するよう、対象となる市町村を特定して警戒を呼びかける情報で、都道府県と気象庁が共同で発表しています。

指定河川洪水予報とは
河川の増水や氾濫などに対する水防活動の判断や住民の避難行動の参考となるように、気象庁は国土交通省または都道府県の機関と共同して、あらかじめ指定した河川について、区間を決めて水位または流量を示した洪水の予報を行っています。これを「指定河川洪水予報」と呼んでいます。

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身のまわりの災害リスクを事前に調べることはとても大切です。

洪水浸水想定区域図・洪水ハザードマップ

国土交通省の「洪水浸水想定区域図・洪水ハザードマップ」は、まだご覧でない方はぜひご参考にしてください。

国土交通省ハザードマップポータルサイト
~身のまわりの災害リスクを調べる~

左側では、洪水・土砂災害・津波のハザードマップがシームレスに表示されます。
右側では各市町村が作成したハザードマップへのリンクです。

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