「震度7 何が生死を分けたか」 その2

前回の続きですが、

建築基準法に制定されている建物とは、

●数百年に一度発生する地震(震度6強から7程度以上)に対して、倒壊・崩壊しない。

●数十年に一度発生する地震(震度5強程度)に対して、損傷しない。

と、規定されています。

ざっくりとした表現ですが、地震動の性質の違いや建物の性能の違いからの組み合わせからの多種多様な条件下では、一番重要なこととして人の命を守る観点からこのような表現になっています。

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震災後の緊急調査で1月末に現地に行きましたが、移動は車でトロトロ運転の深夜での往復でした。

帰路で2号線が通れないところを迂回して住宅街に入ったとき、暗く詳細はわかりませんが、特に大きな被害がないところで、この辺りはしっかりした建物ばかりだなと安心してたところ、いきなり道路にゴロンと家が横倒しになっていてビックリした記憶が残っています。

たぶん、土台や柱まわりの金物が緩かったのだろうと思います。いざという時の備えに点検や耐震性の確認は重要です。

参考図書では、こちらに阪神淡路大震災での多くの建物被害の写真が掲載されて、大地震に対する耐震性の重要性がよくわかります。

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2階建て木造住宅の層間変形角と建物の耐震性の関係で、実物大加振実験が、建材試験センターで行われています。

平成16年に住宅品確法等級1、平成17年に等級2、平成18年に等級3に相当する建物の実験が行われました。

1995年兵庫県南部地震時の神戸海洋気象台で得られた地震波形(JMA神戸海洋波)の実波を入力し,建物の損傷,各部の挙動を確認。

最大層間変形角は

等級1の建物で、1/5rad (倒壊状態)

等級2の建物で、1/13rad

等級3の建物で、1/26rad

(備考)

耐震等級は、耐震等級1・2・3に分けられています。

耐震等級1 建築基準法と同程度の建物

耐震等級2 等級1で想定する地震の1.25倍に耐えられる

耐震等級3 等級1で想定する地震の1.5倍に耐えられる

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JMA神戸海洋波のような木造住宅への影響が過大な地震波では等級1の建物では、非常に大きい損傷が生じます。

築年の古い建物では耐震性が低くなり、その結果さらに大きな変形角が生じ倒壊の危険性がますます高くなります。

更に、繰り返しの揺れは建築基準法では規定されていませんので、1度の地震でたとえ倒壊しなくとも大きな被害が生じている場合は、できる限り早く(安全を確認したうえで)避難する必要があります。